「なんで私は、本音が言えないんだろう」
そう思ったことはありませんか?
実はそれ、本当に“言えない”のではなく、無意識のうちに「言わない」と決めている可能性があります。
心はあなたを守るために、過去の経験を元に行動を選んでいるのです。
この記事では、自分を傷つけずに生きるための**「心を守る仕組み」**と、その仕組みとうまく付き合うための選択肢をお伝えします。
心を守る仕組みは、無意識の防衛反応
私たちは日常の中で、何かを「言わない」「やらない」「感じない」などの行動を選ぶことがあります。
その背景には、自分を守るための無意識の反応があります。
この反応は、心理学では**防衛機制(ぼうえいきせい)**と呼ばれます。
防衛機制は、ストレスや傷つきから心を守る自動的な仕組みのことです。
たとえば、子どもの頃に「文句を言うと嫌われた」経験があったとします。
すると、大人になっても「意見を言わない方が安全」と思い込み、無意識のうちに沈黙を選ぶようになります。
このように、心は過去の学習から自分を守るパターンを作り出します。
守る行動が苦しさを生むこともある
防衛の仕組みは、本来あなたを守るためのものです。
けれど、必要以上に強く働くと、人間関係や自分自身との向き合い方に影響が出てしまうことがあります。
以下はよくある例です。
具体例|心の守り方が原因で起こる負担
行動パターン | 背景にある守り方 | 結果として起こる問題 |
---|---|---|
意見を言わない | 拒絶されたくない | 自己否定・孤独感 |
感情を出さない | 弱さを見せたくない | 疲労感・共感不足 |
頼まれごとを断れない | 嫌われたくない | 無理をして燃え尽きる |
これらは、「守ろうとしていたはずの自分」を、逆に苦しめることにつながる場合があります。
心を守る仕組みとうまく付き合う3つの選択
無意識の防衛反応は悪いものではありません。
大切なのは、それに気づいた上で、どんなふうに選び直すかです。
ここでは、今すぐできる現実的な3つの選択肢を紹介します。
選択1:自分の反応パターンを言葉にする
まずは、自分がよくとる行動や思考のクセに注目してみましょう。
- 「頼まれると断れないな」
- 「何も言えずに後悔してばかりいる」
- 「笑ってごまかしてしまうことが多い」
気づくだけで、自動で反応していた部分に選択の余地が生まれます。
選択2:「なぜ守ろうとしたのか?」をやさしく探る
自分が“言わない”と選んだとき、何を守ろうとしたのかを見つめてみましょう。
たとえば、こういった背景があるかもしれません。
- 過去に否定された経験
- 周囲に迷惑をかけたくないという気持ち
- 自分が未熟だと感じたくない想い
これらは、あなたなりのやさしさや繊細さが形を変えたものです。
選択3:少しずつ「別の守り方」を試してみる
いきなり本音をぶつける必要はありません。
まずは「疲れているので、今日は先に帰ります」と言うだけでもOKです。
次のような工夫がおすすめです。
- 断るときは理由ではなく「希望」を伝える
(例:「○○したいので、今日はパスします」) - 感情を伝えるときは「私はこう感じた」で始める
- 素直になれないときは、後からLINEやメモで伝えてみる
大切なのは、「こうでなきゃ」をゆるめて、自分らしい表現を増やしていくことです。
守る仕組みを見直すことで、未来が変わる
心を守る仕組みは、あなたのこれまでを支えてくれた証でもあります。
でも、今のあなたにはもっとやさしくて柔軟な守り方があるかもしれません。
本音を押し込めるのではなく、選び直せるという感覚を持つこと。
それが、あなた自身の人生をデザインするための最初の一歩になります。

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