「ちゃんとする」「迷惑をかけない」「空気を読む」。
誰かの基準に合わせて生きてきたのに、なぜか心がすり減っていく——そんな感覚を持っていませんか?
周囲との調和を大切にしてきたはずなのに、ふとした瞬間に「これでよかったのかな」と胸がざわつく。
それはもしかしたら、あなたが「正しさに縛られている」サインかもしれません。
正しさに縛られると、どうして生きづらくなるのか
「常識」や「正しさ」は、私たちが社会の中で安全に生きるためのルールでもあります。
けれど、それが行き過ぎると、本来の感情や希望を見失いやすくなります。
とくに職場や人間関係では、「間違ってはいけない」という意識が強く働きがちです。
この意識が習慣になると、無意識のうちに“自分の声”よりも“他人の基準”を優先する癖がついてしまいます。
さらに、「ちゃんとしていれば評価される」という経験を重ねることで、「正しさ=価値」だと誤認しやすくなります。
その結果、失敗や反論を過剰に恐れるようになり、動けなくなってしまうのです。
正しさとは、自分を守るための物語だった
「正しくあるべき」という思い込みは、多くの場合、過去の経験や親からの刷り込みに由来します。
たとえば次のようなケースがあります。
【具体例】
- 子どもの頃、親から「いい子でいなさい」と言われていた
- 学校で「協調性」を重視され、自分の意見を言いにくかった
- ミスをすると怒られた経験から、「間違えないこと」が最優先になった
こうした背景は、自分を守るための「物語」として身についたものです。
でも、その物語が今もあなたに合っているとは限りません。
むしろ、その「正しさ」が今の生きづらさを作っているとしたら——、
少しずつ見直していく価値があるのではないでしょうか。
正しさに縛られる毎日から抜け出す3ステップ
いきなり「自由に生きよう」と言われても、どうしたらいいか分からない。
そんな人のために、小さな一歩から始める具体的な方法をご紹介します。
●ステップ1:その正しさは誰のもの?
- 日常で「~すべき」と感じる場面をメモに書き出す
- 「なぜそう思うのか」「誰の声か」を問い直してみる
- 例:親の口ぐせ、過去の失敗体験、社会の一般論など
●ステップ2:「これは違う」と思ったら、小さなNOを出す
- すぐに反論できなくても、「モヤッとした」気持ちに気づくことが第一歩
- 自分の中の違和感に目を向け、「それ、本当にやりたい?」と問いかけてみる
- 小さなNOの例:誘いを断る/ひとり時間を優先する/完璧を手放す
●ステップ3:自分で選んだ“小さなYES”を重ねる
- コンビニで好きなお菓子を選ぶ
- カフェで一人静かに過ごす
- 発信でほんの少し本音を書いてみる
こうした選択を積み重ねていくことで、**「自分で決める感覚」**が少しずつ育っていきます。
正しさから自由になると、見えてくるもの
自分の気持ちを優先するようになると、「間違っても大丈夫」と思えるようになります。
人の目より、自分の納得感で動けるようになり、心が軽くなる瞬間が増えていきます。
最初は不安かもしれません。
でも、「誰かの期待に応える自分」から、「自分で選ぶ自分」へと変わっていくことで、
本当に望んでいた生き方が、少しずつ現実味を帯びてきます。
正しさに縛られる日々から、一歩ずつ抜け出してみよう
正しさは悪いものではありません。
ただ、それが「他人のもの」であり続ける限り、本当の自分とは出会えません。
まずは、今日ひとつ、「これはやめていいかも」と思える“正しさ”を見つけてみてください。
その選択が、これからの人生を少しずつ変えていきます。

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